オトウサン、ありがとう

17日。




雨がたくさん降って
風が強く吹いていた17日。





オトウサンが逝ってしまいました。





1年前、私はオトウサンに会いました。





なんと呼んでいいかわからず、
みんなが呼んでいるように、





「オトウサン」と呼んでいました。





私に快くビニールハウスを貸してくださり、





毎日ハウスをのぞきに来ては、





「調子はどうだい?」と、





にこにこ顔で声をかけてくださって。






毎日、オトウサンの顔を見ない日はなくて。





一緒にお茶を飲んで冗談を言い合ったり、
竹の切り方を教えてくださったり、
苗の成長を一緒に見守ってくださったり、





「恥ずかしいから隠れてただよ。」





私がオトウサンを探していると
必ず返ってきていた言葉。





逝ってしまう前日まで、





一緒にサトイモの苗を見ながら
暗くなるまで話してたのに。






なんにも言わずに、静かに、
隠れるように逝ってしまいました。







娘のように可愛がっていただいて、
娘のようにオトウサンを慕っていたから、





いまだに向き合えません。







わかっているけど、
わかんないような。





晴れてるんだか曇ってるんだか、
大笑いしたり大泣きしたり。





オトウサンが私の為に作ってくれていた
サツマイモの苗は、
今も元気に蔓を伸ばしています。






「金を出せば何でも手に入るんだ。」






オトウサンが私にぼそっと言いました。





その裏には、





「大変な思いをして手に入れた幸せは何にも
代えられない素晴らしいものだ。」





っていう大切な意味があって。






そういう人生をまっすぐに生きてこられて、





私という未熟な人間に出会ってくださって
本当にありがとうございました。





オトウサンの残したいろいろなメッセージを
また、畑にもらいに行きます。





もう泣かないね。
探しちゃうかもしれないけど、隠れないでね。